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□■□ お魚よもやま情報 2002年8月号 □■□
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>> 目 次 <<
1.ダンボの耳を持つ魚の話
2.お魚よもやま情報資料館8月号
3.読者の皆さんの広場で〜す!
4.プレゼントクイズ8月号/この漢字の魚名を当てて!
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一ヶ月のご無沙汰です。いやぁ〜、毎年夏ってこんなに暑かったかな、と思
わせるほどの暑さですね。皆さんの所はいかがですか? でも、先日8日は
立秋でしたから、すでに残暑なのですね。あらためまして「残暑お見舞い申
し上げます。」
さて、今月のお題です。行く夏を惜しんで?夏魚の話しをもう一題。それは
「石首魚」。アレッ、また先月のクイズの答でした。(^^ゞ
そうです。イシモチ、正式にはシログチの話です。
1.ダンボの耳を持つ魚の話
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ハマの魚河岸では本名の<シログチ>よりも<イシモチ・石持>と別名で呼ぶ
のが一般的です。通年獲れますが、今の時季、夏場が旬です。地元神奈川の他、
淡路島や静岡、愛知県などから入荷しています。身の柔らかい淡泊な白身で塩
焼きでも揚げ物でも美味しいのですが、何故か人気がありません。価格も安い
です!皆さん、このお魚はねらい目ですよ。この夏のうちに是非食べてみて下
さい!
▼イシモチってこんな魚です
イシモチはスズキ目・ニベ科に分類されます。体色は全体に銀色を帯びた淡
い灰色をしていて、エラブタに黒い斑点があります。大きい物は40cmを超え
ますが、普通店頭で見かけるのは20〜30cmくらいでしょう。東北以南から朝
鮮半島、東シナ海の水深20〜140mくらいまでの砂泥地がすみかです。5〜8
月には産卵のため沿岸に来遊します。晩秋まで釣りの対象としても人気の高
い魚です。
ニベ科の仲間には他にもニベ、オオニベ、キグチ、アカグチ、クログチなど
がいて、外見もかなり似ています。一般的にはこれらの名前はあまり聞き慣
れないかも知れません。でも、実は皆さんも知らない内に結構食べていると
思いますよ。特にグチの仲間はカマボコ材料の主役級なのですから。今度、
カマボコの原材料表示を見て下さい。グチがかなり登場しているはずです。
▽愚痴を言う魚!?
さて、シログチを漢字では<白愚痴>とも書きます。何故<愚痴>なのかと
いうと、釣り上げられたときに出す「グーグー」というかなり大きな声が、
まるで愚痴を言っているように聞こえるからだそうです。確かに釣られた魚
の身になれば、愚痴も言いたくなりますよね。
▽ダンボの耳を持つ魚
では、別名の石持(石首魚)はというと、頭の中に、左右一対の硬くて白い
大きな耳石(じせき)があることから付けられました。魚に耳があるのかと
思われる人もいるかもしれませんが、どの魚も頭骨の中に内耳という音を聞
き分ける耳を持っています。この内耳にあるのが耳石です。内耳は平衡感覚
もつかさどっています。
イシモチに代表されるニベ科の魚は、この内耳が大きく、とりわけ大きな耳
石を持っています。いわば<ダンボの耳を持つ魚>なのです!
▽グチも鳴かずば釣られまい
<鳴く>魚と言えば他にも、ホウボウ、イシダイ、カサゴなどたくさんいま
すが、これはもちろん声帯から出ているわけではありません。腹壁の特別な
筋肉を振るわせて、その振動がウキブクロで共鳴して、大きな音が出る仕組
みになっています。
イシモチは雌雄ともほぼ一年中鳴きますが、特に産卵期と危険を感じたとき
に良く鳴きます。人間の耳ではこれを聞き分けることは難しいですが、魚た
ちはもちろんコミュニケーションをとっているのですね。
この鳴き声の大きさは半端ではないようです。夜の海底で愛の大合唱が始ま
ると、その船上では眠れないほどの音量だといいます。当然鳴き声のする所
に居るわけで、「グチも鳴かずば釣られまい」というイシモチにとってはひ
どく迷惑な言葉さえ生まれてしまいました。
▽蛇足:「にべもない」とは?
「にべもない態度」という表現がありますが、もしかして「にべもない」の
「にべ」って魚のニベ?と連想する人は、相当な魚好きです。実はそうなの
です。
昔はこの大きな音を出す丈夫なウキブクロは、粘着力の強いニカワ(ニベニ
カワという接着剤)の原料になっていました。そこから「取り付きようのな
いこと」、「愛嬌のないこと」を「にべもない」というようになりました。
▼目利き
体全体がピンとして硬いこと。目が澄んでいること。エラが鮮やかな赤色で
あること。そして、ウロコがびっしり付いていることが目利きのポイントで
す。
▼骨まで柔らかく揚げるコツ <Enjoy Cooking>
イシモチは水分が多く、サッパリしていますので特に揚げ物に向いています。
ですが大きめの魚を丸揚げすると、中まで火が通りにくいですね。まして骨
まで柔らかくしたいというのであれば<2度揚げ>あるいは<3度揚げ>が
必要になります。そのコツを紹介しましょう。
1)片栗粉ではなく、小麦粉を刷毛(ハケ)で薄く付けて1〜2分おいて馴染
ませます。
2)油を低めの温度(150〜160度)に熱し、中火弱でじっくり揚げてい
ったん取り出し、手で触れるくらいまで冷まします。<外側より中身の温度
の方が高い状態にするわけです。>
3)そして、油を170〜180度に熱し、中火で揚げます。
こうすれば中まで火が良く通って、骨まで柔らかく揚げることができます。
後はお好みで、中華あんかけなどもいいですね。
●鮮度が良ければもちろんお刺身で。他にも塩焼き、煮付け、フライ、バター
焼き、すり身等さまざまな調理法に合いますよ。
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2.「お魚よもやま情報資料館」8月号
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▼当メルマガで取り上げたお魚の中で、なかなか目にする機会の少ない
「噂のお魚」の画像もご覧いただけます。
▽お魚よもやま情報資料館8月号
●Enjoy Cooking イシモチを食べよう!<安価な魚が豪華料理に変身!>
●イシモチとニベの姿。
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3.読者の皆さんの広場で〜す!
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前回も「魚名当てクイズ」にたくさんのご応募と、コメントをいただきまして
ありがとうございます。その中からほんの一部を紹介させてもらいます。
▽<千葉県:Kさん>キスの天麩羅、大好きです。でも一家で一番好きな食べ
方は、やっぱり、釣りたての刺身が甘くておいしい〜!
▲それは最高でしょう!特に釣り好きの人にとっては2度美味しいですね。
▽<神奈川県:Aさん>いしもちは、正式名称でしろぐちとか言うのでは?(
自分の、思い違いかも)
▲いいえ、今月号でご紹介したように仰る通りです。魚の名前は地方によって
実に様々で、その一つ一つに物語があったり、本当に面白いですね。
▽<名古屋市:Eさん>いつも楽しみに読んでます。小さい時からお魚は大好
きです。特に塩辛類には目がありません。ほやの塩辛は若かりし頃食べたよ
うな気がするのですが…記憶が定かではありません。これからも楽しいお魚
情報宜しくお願いします。
▲ありがとうございます。塩辛というのは、懐かしい味がして・・・。アツア
ツご飯にかけたり、お茶漬けなんて日本人で良かった〜と実感しますよね。
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4.プレゼントクイズ8月号/この漢字の魚名を当てて!
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お魚の名前を漢字で書くと、なるほどと感心するもの、難解?なものがたく
さんあります。それではまずは、少々小手調べです。
今月は<連想クイズ!?>です。1問でもできればグッドです!
a.金糸魚 b.水針魚 c.秋光魚 d.青串魚 e.帯魚
さて、あなたは何問解りましたか?(答は末尾にあります。)
▼それでは本番!<2002年8月の問題>です。
今月も難しいですよ。冬の薄造りの王様と言えば<フグ>、夏の薄造りの王
様と言うと<○○>。上下に押しつぶされて扁平な体。上から見ると菱形で
後ろにいくほど段々細くなります。 そう、今が食べ頃の私は<鯒>です!
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△練習問題 答 a.イトヨリ b.サヨリ c.サンマ d.サンマ e.タチウオ
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